不動産担保ローン用語集です、実際のお取引やお考えの際に活用ください。※ 説明は日本貸金業協会の書籍から抜粋参考しております。
不動産担保ローン用語集 50音順から検索
→あ行 →か行 →さ行 →た行 →な行 →は行 →ま行 →や行 →ら行 →わ行
不動産担保ローン用語集 か行
会社更生手続
経済的に窮境にある株式会社について、債権者、株主その他の利害関係人の利害を適切に調整しながら、当該株式会社の事業の維持更生を図る手続。
会社更生手続の適用対象となるのは、株式会社に限定されており(会社更生法 1 条)、実際には倒産すると社会に与える影響が大きい大規模会社による利用が想定されている。更生手続中の担保権は更生手続外で独自に実行することが禁止され、担保権者であっても更生手続に参加しなければ担保権を実行できない。また、裁判所および更生管財人(管財人) の権限が強大であり、債権者の利益だけでなく事業の再建に重点が置かれる。
隔地者
東京の事業者と大阪の事業者との間で行われる取引のように、場所的に離れた者の間でなされる契約の成立に関する意思表示の効力について問題となる。契約の申込みの意思表示が相手方に到達するまでの間に申込者が死亡等した場合の申込みの意思表示の効力などについて規定されている(民法 526 条)。
確定申告書
毎年 1 月 1 日から 12 月 31 日までの 1 年間に生じた全ての所得額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金等との過不足を精算するために作成される書類。申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、総合課税の配当所得、一時所得のみの場合に使用する確定申告書A と、所得の種類にかかわらず誰でも使用することができる確定申告書B とがある。
確定日付ある証書
証書の作成日につき法律上の証拠力を認められる場合におけるその日付が記載された文書。公正証書や内容証明郵便の日付が確定日付となる。債権譲渡において、確定日付ある証書による債権者から債務者に対する通知又は確定日付ある証書による債務者の承諾は第三者に対する対抗要件である。
貸金業務取扱主任者
貸金業務取扱主任者資格試験に合格し、貸金業法 24 条の 25 に定める貸金業務取扱主任者の登録を受けた者。登録を行うには、資格試験に合格した日から 1 年以内に登録を行う場合を除き、登録講習を受講しなければならない。なお、登録は3年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
過失
法律や契約等によって課された注意義務に違反していることをいい、民法上の不法行為責任が成立するための要件とされている。
貸付けに係る契約
顧客との間の金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付又は当該方法によってする金銭の授受の媒介を含む)に関わる契約のこと。
過失相殺
不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求において、損害発生という結果に対して被害者又は債権者にも過失が認められる場合に、その過失の程度に応じて損害賠償額を減額する考え方。
家庭裁判所
家事事件手続法で定める家庭に関する事件の審判及び調停、人事訴訟法で定める人事訴訟の第一審の裁判、少年法で定める少年の保護事件の審判等を行う権限を有する下級裁判所。家庭裁判所には、家庭裁判所調査官が置かれ、家事審判、家事調停及び少年審判に必要な調査等を行っている。
仮差押え
金銭債権について、強制執行が不能もしくは著しく困難となる可能性がある場合に、将来の強制執行の保全の目的で発せられる債務者の財産の処分を制限する暫定的措置である。債務者の財産に対する強制執行は、判決などの債務名義に基づかなければならないが、債務名義取得まで待っていたのでは強制執行ができなくなるおそれがある場合に、緊急の措置として発せられるものである。
仮処分
金銭債権以外の債権を保全するために、裁判所によりなされる暫定的な措置。仮処分は、係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分とに分けられる(民事保全法 23 条)。係争物に関する仮処分とは、金銭債権以外の権利の執行を保全するために、現状の維持を命ずる仮処分であり、対象となる財産の処分・移転が禁止される。また、仮の地位を定める仮処分とは、争いがある権利関係について債権者に生じる著しい損害又は急迫の危険を避けるため必要である場合に、その損害等から債権者を保護するためになされる仮処分である。
管財人
再生手続開始決定が出された場合において、債務者に引き続き事業経営権や財産の管理処分権を与えることが適当でないと認められる場合に裁判所により選任される者。再生債務者の事業経営権や財産の管理処分権が管財人に移行する場合もある(民事再生法 64 条 1 項・66 条)。民事再生法上は、単に「管財人」と規定されているが、破産法上の「破産管財人」、会社更生法上の「管財人」と区別するために「再生管財人」と呼ばれるのが一般的である。
外国PEPs
重要な公的地位にある者を意味するPolitically Exposed Persons の略称。外国の元首や、外国において、日本における内閣総理大臣等の公職にある者、中央銀行の役員、予算について国会の議決等を経なければならない法人の役員、過去にこれらの職にあった者、それらの家族、又はこれらの者が実質的支配者である法人が外国PEPs に該当する。外国PEPs との取引は、ハイリスク取引とされている。
元本
利息を生じさせる元となる金銭。利息制限法 1 条には、元本の額に応じて上限金利が定められている(利息制限法 1 条)ほか、利息の計算について元本額の特則が定められている(利息制限法 5 条)。
元本確定期日
根抵当権の設定や根保証契約を締結している場合に、その担保や保証の対象となる債務の元本を確定させる日のこと。根抵当権や根保証は、不特定の債務をその担保や保証の対象としているが、元本を確定させた場合には、その確定した元本(及び利息等)に対してのみ債権者は権利行使をすることができる。
期限の利益
期限が到来するまでは履行遅滞とならない、あるいは債務の履行を強制されることがない、という契約当事者の利益。期限の利益は債務者が有するものと推定される(民法 136 条)ため、債務者は期限の利益を放棄して、期限の利益が到来する前に債務の履行等を行うことができるのが原則である。
期限の利益喪失条項
当事者が、契約等において、信用状態悪化を示す事由が生じた場合に期限の利益が喪失する旨の特約。当事者は、期限が到来するまでは債務の履行を強制されず、また履行遅滞とならないなどの利益(期限の利益) を有している。期限の利益は、債務者が有するものと推定されている(民法 136 条 1 項)。ただし、債務者が破産したり担保を傷つけあるいは毀滅するなど、信用状態の悪化を示す事由が生じたときには、債務者は法律上当然に期限の利益を喪失する(民法 137 条)。
機微(センシティブ) 情報
「個人情報保護法第 2 条第 3 項に定める要配慮個人情報並びに労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療及び性生活(これらのうち要配慮個人情報に該当するものを除く。)に関する情報。ただし、本人や国の機関等により公開されているもの、又は、本人を目視・撮影することにより取得するその外形上明らかなものは除かれる。
求償権
保証人が主たる債務者に代わって債権者に対して弁済等を行った場合、保証人は、主たる債務者に対し、自らに支払いをするよう請求することができ、この保証人の権利を求償権という。保証人が主たる債務者に対して支払いを請求することができる範囲は、保証人が保証するに際して主たる債務者の委託を受けたかどうかなどによって異なる(民法 459 条〜 462 条)。
給与の支払明細書
従業員等に対して給与等の支払をする者が当該従業員等に対して交付すべき給与等の明細を記載した書面(所得税法 231 条)。給与の支払明細書には、最低限、給与等の金額及び控除額として、源泉所得税額及び社会保険料控除額が記載される。
強制執行
国家権力の関与により強制的に債権の回収を図る手続。強制執行の申立てをするには、強制執行を根拠付け正当化する文書である債務名義(民事執行法 22 条)が必要である。債務名義には、確定判決・仮執行宣言付判決・和解調書・調停調書・仮執行宣言付支払督促・強制執行認諾文言付公正証書がある。また、強制執行には、債務名義に加え、判決が確定する等して執行条件が成就するなど、執行力を備えている必要があり、この執行力の存在を証明する文書として執行文が必要である(民事執行法 26 条参照)。強制執行においては、法律で禁止されていない限り、およそ財産的価値があり換価可能なものであれば、動産・不動産・債権などがすべてその目的物件となる。
虚偽表示(通謀虚偽表示)
表意者が相手方と通謀してする虚偽の意思表示。例えば、A とB が不動産の売買契約を行う意思を有していないのに、A からB に不動産を売却する旨の虚偽の意思表示をし、その内容の移転登記をするなどの場合が通謀虚偽表示となる。通謀虚偽表示による意思表示は無効であるが、善意の第三者に対しては、その無効を対抗することができない(民法94 条)。
極度額
根抵当権や根保証において、担保あるいは保証の範囲の上限となる金額のこと。個人根保証契約においては、極度額の定めがなければ、当該契約は無効となる(民法 465 条の 2 第 2 項)。
極度方式貸付け
極度方式基本契約に基づく個々の貸付けのこと(貸金業法 2 条 8 項)。
極度方式基本契約
貸付けに係る契約のうち、資金需要者である顧客によりあらかじめ定められた条件に従った返済がなされることを条件として、当該顧客の請求に応じ、極度額の限度内において貸付けを行うことを約するもののこと(貸金業法 2 条 7 項)。いわゆるリボルビング契約などがこれに含まれる。
極度方式保証契約
極度方式基本契約に基づく不特定の債務を主たる債務とする保証契約のこと(貸金業法 2 条 9 項)。極度方式保証契約は、根保証契約の一種であり、個々の極度方式貸付けが主たる債務として保証の対象となる。
寄与分
共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護等によって被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者の相続分算定に当たって寄与に応じた相続分の増加を認めるもの(民法 904 条の 4)。特別受益者の相続分(民法 903 条)とともに、相続人間の公平を図る趣旨である。
金融ADR
金融分野における裁判外紛争解決制度。
金融リテラシー
金融や経済に関する知識や判断力。金融庁は金融リテラシーマップを公表しており、そのマップでは最低限身につけるべき金融リテラシーを、①家計管理、②生活設計、③金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択、及び④外部の知見の適切な活用の 4 分野 15 項目に分けて整理している。
業務委託契約
他人に一定の業務を任せる契約。業務委託契約は、民法に直接規定されていない契約類型であり非典型契約である。実務上、企業間や企業と個人事業主との間で比較的多く締結される契約類型であり、その具体的内容は個々の契約内容による。もっとも、準委任契約の性質を有する業務委託契約については、民法の委任に関する規定が適用されることがある。
クラウドファンディング
群衆を表すCrowd と資金調達を表すFunding を組み合わせた造語であり、インターネット等を通じて不特定多数から資金を募る仕組み。出資者に対する対価(リターン)の形態に応じて、主に「寄付型」「購入型」「投資型]に区別することができる。寄付型は、主として公共性の高い案件において寄付を募るものであり、寄付税制が適用される場合がある。購入型は、集めた資金で製品やサービスを開発し、出資者に完成した製品やサービスを提供するものであり、特定商取引法や景品表示法等の規制対象となる。投資型は、運営事業者を介して投資家と事業者との間で匿名組合契約を締結し、事業の収益から出資者に配当がなされるものである。
グレーゾーン金利
利息制限法1条に定める金利を超えるが、出資法の上限金利を超えない範囲の金利帯をいう。
経営者保証ガイドライン
中小企業の経営者保証における合理的な保証契約の在り方等を示すとともに主たる債務の整理局面における保証債務の整理を公正かつ迅速に行うための準則。経営者の個人保証について、①法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと、②個人保証を行っていても、早期の事業再生や廃業に際して一定の生活費等を残すこと等を検討すること、③保証債務履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除することなどを定めている。
検索の抗弁権
保証人が、主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず、主たる債務者の財産について執行をしなければならないとされるが、この主張を行う保証人の権利のこと(民法 453 条)。連帯保証人には、この権利は認められない(民法 454 条)。
検認手続
遺言書の保管者が家庭裁判所に提出した遺言書について、当該家庭裁判所がその存在及び内容を確認する手続(民法 1004 条)。検認を要する遺言は、自筆証書遺言及び秘密証書遺言であり、公正証書遺言には検認は不要である(同条 2 項)。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立ち会いの下に開封される(同条 3 項)。
顕名
代理人が代理行為を行うとき、本人の代理人であることを明らかにすること。代理人が顕名をせずに行った意思表示は自己のためにしたものとみなされるのが原則である(民法 100 条)が、商行為の代理人の場合には顕名は不要とされている(商法 504 条)。
源泉徴収票
従業員等に対して給与等の支払をする者が当該従業員等に対して交付すべき、その年において支払の確定した給与等を記載した書面(所得税法226 条)。法律上交付が義務づけられている源泉徴収票は、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票及び公的年金等の源泉徴収票である。給与所得の源泉徴収票には、支払を受ける者の住所・氏名、給与等の種別(給料・賞与等)、支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の合計額、源泉徴収税額等が記載される。
限定承認
相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して行う相続の承認のこと(民法 922 条)。被相続人の資産、負債の状況がわからない場合に、自らの財産から被相続人の債務を弁済するリスクを避けつつ相続の承認をするというもの。限定承認は、共同相続人全員が共同してのみこれを行うことができる。
故意
自身の行為から一定の結果が生じることを知りながら、あえてその行為をすること。民法 709 条に規定する不法行為の成立要件の 1 つである。
行為能力
契約締結などの法律行為を単独で有効に行うことができる能力。行為能力(制度)とは、意思能力のない者やその不十分な者を、一定の年齢又は手続により画一的に制限行為能力者として定め、制限行為能力者の行為は取り消すことができるとするとともに、保護者を付してその能力の不足を補う制度である。民法では制限行為能力者として、未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人が規定されている(民法 5 条以下・7 条以下・11 条以下・15 条以下)。
公益財団法人
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に基づいて設立された一般財団法人のうち公益を目的とする事業を行うものについて、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 4 条に基づき内閣総理大臣又は都道府県知事による認定を受けた財団法人。公益目的事業は、学術、技芸、慈善に関する事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものである。
公益社団法人
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に基づいて設立された一般社団法人のうち公益を目的とする事業を行うものについて、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 4 条に基づき内閣総理大臣又は都道府県知事による認定を受けた社団法人。公益目的事業は、学術、技芸、慈善に関する事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものである。
更改
当事者間の合意により新たな債務を成立させる(当事者の交替による場合も含む)ことによって、従前の債務を消滅させること(民法 513 条)。更改は、債務の消滅原因の 1 つとされている。
高額療養費
1 か月の医療費の自己負担額が所定の上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度。医療費の自己負担額には、医療機関に支払った額に加え薬局で支払った額が含まれる。上限額を算出する基礎となる医療費の自己負担額は、同一医療保険に加入している同世帯の者の複数の受診等にかかる 1 か月分を合算することができる。高額療養費の支給申請は、加入している公的医療保険(健康保険組合等)に高額療養費の支給申請書を提出又は郵送することにより行う。通常、高額療養費の支給には受診月から最低 3 か月程度かかるとされている。
後見登記制度
成年後見人、保佐人又は補助人が有する権限もしくは任意後見契約の内容等を登記し、その記録内容が記載された登記事項証明書(又は登記されていないことの証明書)を発行して登記情報を開示する制度。後見開始、保佐開始又は補助開始の審判がされたもしくは任意後見契約の公正証書が作成されたとき等に、家庭裁判所又は公証人の嘱託によって登記される。なお、登記の申請ができるのは、制限行為能力者本人、その配偶者、一定範囲の親族、制限行為能力者の保護者(成年後見人等)等の一定の者に限られ、取引の相手方であることを理由とする登記事項証明書の申請をすることはできない。
後見人
民法 853 条〜 869 条に規定する後見の事務を行う者。後見は、親権者のいない未成年者又は成年被後見人について行われる。後見人は、被後見人の財産を管理するとももにその財産に関する法律行為について被後見人を代表する(民法 859 条)。未成年者の後見人は、この財産管理権のほかに、未成年者の身上の監護をする権利義務を有する(民法 857 条)。
公正証書
私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により、公証人がその権限に基づいて作成する文書。貸付けに係る契約や保証契約といった契約に関する公正証書のほか、例えば遺言公正証書のような、一人の当事者の意思表示の内容を公正証書で明らかにする単独行為に関する公正証書、権利義務や法律上の地位に関係する重要な事実について、公証人が五感の作用で認識(実験)した結果を記述する事実実験公正証書がある。公正証書には「確定日付」が付与され、債権譲渡の対抗要件となる確定日付ある証書による通知などに使用することができる。
高等裁判所
地方裁判所の第一審判決、家庭裁判所の判決及び簡易裁判所の刑事に関する判決に対する控訴審等を扱う裁判所。高等裁判所の本庁は、東京都、大阪市、名古屋市、広島市、福岡市、仙台市、札幌市、高松市に設置されているほか、各本庁管内に支部が置かれる( 裁判所法 22 条)。特別に、知的財産に関する係争を扱う知的財産高等裁判所が東京高等裁判所に設置されている。
口頭弁論
民事訴訟手続において、公開の法廷で、裁判官及び書記官が出席し、直接、両当事者の口頭による弁論をきく手続のことである。裁判の基礎となる資料(主張及び証拠)は、必ず口頭弁論にあらわれたものでなければならないのが原則である。
コーポレートガバナンス
企業統治と訳され、株式会社などの企業経営を監視等する仕組み。株式会社においては、株主を中心とするステークホルダーの利益を最大化するために、企業不祥事を防止するとともに、効率的な業務遂行等を通じて競争力を高めて企業価値向上を目指す仕組みである。経営監視のために社外取締役・社外監査役を設置したり、経営を担う執行役とそれを監視する取締役とに分離する会社組織である指名委員会等設置会社(会社法 2 条 1 項 12 号)や監査等委員会設置会社(会社法 2 条 1 項 11 条の 2) とすることが行われている。
小切手
振出人が支払人(名宛人)に対して、一定期日に一定金額を受取人に支払うよう委託した有価証券。銀行等と当座勘定取引契約を締結して小切手金支払の窓口となることを当該銀行に委託した上で、統一小切手用紙の交付を受け、それを使用して小切手が振り出される。
国際裁判管轄
国際的な取引における法的紛争を訴訟により解決する場合に管轄を有する裁判所の所在国を決定すること。株式会社等への訴えについては、主たる事務所又は営業所が日本国内にあり、又はその代表者その他の主たる業務担当者の住所が日本国内にあるときには、日本の裁判所に管轄権があるとされている(民事訴訟法 3 条の 2)。そのほか、特別裁判籍として、①契約上の債務の履行請求等については、債務の履行地が日本国内にあるとき等に、②金銭の支払請求については、差し押さえることができる被告の財産が日本国内にあるときに日本の裁判所に管轄権があるとされている(民事訴訟法 3 条の 3)。
国民年金手帳
公的年金の加入者に交付される年金に関する手帳であり、保険料納付の確認や年金を受領する際に必要となる。
個人型確定拠出年金制度(iDeCo)
国民年金基金連合会が確定拠出年金法に基づいて実施する年金制度(確定拠出年金法 2 条 3 項)。個人が自ら掛金を拠出し、自ら選んだ運用方法で掛金を運用し、掛金と運用益との合計額を給付として受け取ることができる。掛金、運用益、給付の受領時に税制上の優遇措置が講じられている。
個人情報
生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)又は個人識別符号が含まれるものをいう(個人情報保護法 2 条 1 項)。
個人情報データベース等
個人情報を含む情報の集合物であって、①特定の個人情報をコンピュータを用いて検索することができるように体系的に構成したもの、又は② 特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したもの(例えば、五十音順等)であって検索を容易にする仕組みを持つものをいう。ただし、利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないと認められるような、不特定多数の者に向けて適法に発行され誰でも購入することができるような市販の電話帳や住宅地図、カーナビゲーションシステムなどは個人情報データベース等から除かれる。
個人情報取扱事業者
個人情報データベース等(個人情報を含む情報の集合物であって、特定の個人情報をコンピュータを用いるなどして容易に検索できるように体系的に構成したもの)を事業の用に供しているもの(個人情報保護法 2 条 5 項)。
個人データ
個人情報データベース等を構成する個人情報のこと(個人情報保護法 2 条 6 項)。個人情報取扱事業者が個人情報を取得し、それを、例えば、個人情報を管理するコンピュータに入力するなどして、個人情報データベース等に加えた段階で、当該個人情報は個人データとなる。
個人根保証契約
一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であって、保証人が法人でないもの(民法 465 条の 2)。個人根保証契約の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う(民法 465 条の 2 第 1 項)。また、極度額の定めのない個人根保証契約は無効である(同条 2 項)。
個人番号カード
「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)に基づき、社会保障・税・災害対策分野の事務手続に限って利用される 12 桁の番号(個人番号・マイナンバー)、氏名、住所、生年月日、性別等が記載され、身分証明書として利用することができるカード。自治体によっては、個人番号カードを利用することで、コンビニエンスストア等で住民票の写しや印鑑登録証明書を取得できるサービスが提供されている。マイナンバーカードとも呼ばれる。
戸籍抄本
戸籍簿の一部の写し。戸籍に 2 人以上の記載がある場合において、その1 人分の記載のみの写しなどが該当する。戸籍簿には、氏名、性別、生年月日、父母等の氏名と本人との続柄等が記載される。
戸籍謄本
戸籍簿の全部の写し。戸籍全部事項証明書又は全部事項証明書と呼ばれることがある。戸籍簿には、氏名、性別、生年月日、父母等の氏名と本人との続柄等が記載されており、それら全ての記載を確認することができる。
雇用契約
当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することで効力を生じる契約(民法 623 条)。雇用契約については、民法 623 条〜 631 条に定めがあるが、使用者と被用者との関係は、労働基準法等の労働関係法令の適用がある。労働関係法令の多くは強行規定であり、法令の定めと異なる当事者間の約定は無効となる。
※ 説明は日本貸金業協会の書籍から抜粋参考しております。